子供がいる方に質問ですが、子供の育て方について完璧に知っている人はいますか?
ほとんどの人は知らないでしょう。
むしろどうしていいか全くわからない方も多いでしょう。
子供たちには健康で幸せに育って欲しいですが、そんな大人にするために何をすればいいか、実はわからないのです。
しかしイギリスの研究者が、過去70年にわたり、何万人もの子供を観察して、子供の成長に何が影響するかを調査しました。TEDでイギリスのジャーナリストのヘレン・ピアソンが発表しています。
どんな研究か
研究は1946年の第二次世界大戦が終わった直後に始まりました。
当時は戦後の母親の環境や状態に関する調査でしたが、結果的に産まれてくる赤ん坊の調査にもなりました。
当時は14000人ほどの子供たちが対象となりました。
調査の一環として、妊娠中に食事や衣類など、どんな生活をしていたのかを質問しました。
それだけでなく、DNAや髪の子、抜けた歯などあらゆるものをサンプルとして集めました。
結果、有益な情報が得られ、研究は繰り返し行われ、今では7万人もの子供のデータが蓄積されました。
研究からわかったこと
この研究は大変有益で、さまざまなことがわかりましたが、今日は子供の成長を左右する要因にってフォーカスします。
貧困家庭の子供は苦労する可能性が高い
いきなり夢のない話ですが、これが現実のようです。
研究の対象には貧困の家庭や、低所得層も多く含まれていますが、所得が少なかったり、問題をかかえる家庭の子供はその後の人生でも、より苦労していることが統計でわかります。
感覚的には納得できる結果かもしれません。
実際に、そうした子供たちが大人になると
- 肥満
- 高血圧
- 記憶力の低下
- 寿命が短い
などが結果としてあらわれています。
また、大人になってからの話だけでなく、成長の差は、もっと早いステージで訪れます。
3歳までを対象としたテストでは、貧困家庭の子供は、富裕層家庭の子供と比べ、一年近く学力も劣っていることが分かっています。
これらのことから、生まれた家庭や、幼少期の環境がその後の人生を大きく左右する事がわかります。
親の影響力
人生を健康で幸せに生きるためには、貧困家庭に生まれてはいけないことがわかりました。
親は自分じゃ選べないし、
貧困家庭で生まれて成功してる人もたくさんいるよ
研究による調査結果には明るいものもあります。
幼少期の親の教育や生活習慣で、その後の健康で幸せな人生を送るために有益なものがありました。
- 子供と会話する、子供の話を聞く
- 優しく受け答えをする
- 文字や数字を教える
- 外に一緒に出かける
- 毎日本を読み聞かせる
- 子供が選んだ本を与える
- 毎晩決まった時間に寝かせる
などをしていた親の子供は、人生のスタートにハンデがあっても、這い上がることができることがあったそうです。
親の教育さえよければいい?
貧困家庭の子供は苦労する。
親の影響で子供は這い上がれる。
これらを説明しましたが、親次第で子供は這い上がれるということなのでしょうか?
残念ながらピアソンは、貧困家庭に生まれた子供は、たとえ親がどれだけ良いことをしても、這い上がることができない人もいたという結果も示しています。
次の世代の子供たちに苦労してもらわないためには、子供の貧困問題に本気で向き合う必要があります。
同時に、自分が向き合う子供たちには統計上良かったとされることを、実践してみましょう。
まとめ
私たちは努力すればむくわれると教わって育っています。
しかし統計的な現実は非常に残酷なものだと分かりました。
親の与える良い影響はすぐにできることが、ほとんどです。
まずは自分の子供とのコミュニケーションを増やすことから始めたいと思います。