【死ぬまでに読むべき本】カーレド・ホッセイニの「千の輝く太陽」、アフガニスタンとタリバンの現状が最もわかる一冊

映画&文学

今もっとも危険な国は?と聞かれた場合、どの国をあげるでしょうか?

この20年間でいうと、アフガニスタンは必ず名前が上がるはずです。

アメリカがアフガニスタンを撤退し、タリバン政権が復活することで、さらに混乱が起きることは明らかでしょう。

そんなアフガニスタンの現状を物語で伝え続けているのが、カーレド・ホセイニです。

日本ではあまり有名ではないかもしれませんが、アメリカではカーレド・ホセイニの「千の輝く太陽」(原題:A Thousand Splendid Suns)と「カイト・ランナー」(原題:The Kite Runner)は、死ぬまでに読むべき本トップ10にも数えられるベストセラーです。

カーレド・ホセイニ はどんな人

カーレド・ホセイニ(Khaled Hosseini)はアフガニスタン人の在アメリカの小説家です。

生まれはアフガニスタンのカブールで、父親の大使館の仕事の都合でイラン、フランスと転々としていました。そんな中、ソ連のアフガニスタン侵攻が始まったために帰国をあきらめ、1980年に家族でアメリカに亡命しました。西海岸のカリフォルニア州サンノゼに移り住み、カリフォルニア大学医学部を卒業し、1996年から内科医師として働き始めました。

2003年に「カイト・ランナー」で作家デビューし、全世界で1000万部を越えるベストセラーを記録しました。2006年から、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)でアメリカ使節団の一員として1年間働き、2007年には「千の輝く太陽」も発表し同年の年間ベストセラーとなりました。

千の輝く太陽

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舞台は1960年代から2000年代のアフガニスタンです。

主人公は貧困層の少女で、望まない結婚、男性により暴力、教育の制限など、タリバン政権下の女性の権利を制限する社会がどのようなものかの残酷さを、生々しくも美しく表現しています。

この本については国連で女性の権利について演説をした、エマ・ワトソンとマララ・ユスフザイの対談でも語れらており、「今まで書かれた本の中で、最も素晴らしい」と言っています。

ENGLISH SPEECH | EMMA WATSON & MALALA: Amazing Interview (English Subtitles)

カイト・ランナー(君のためなら千回でも)

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「カイト・ランナー」は2003年にアメリカで出版され、2006年に翻訳され日本でも出版されました。この時の邦題は「カイト・ランナー」でしたが、2007年に公開された映画のタイトルで改題され「君のためなら千回でも」というタイトルがつけられています。

舞台はこちらも1960年代から2000年代のアフガニスタンです。

カブールの裕福な家庭の12歳の少年アミールと召使いの少年ハッサンは仲が良く、凧合戦で優勝しますが、ハザーラ人のハッサンを嫌うパシュトゥーン人にハッサンは暴行されてしまいます。しかし、それを見ていたアミールは何もできずにその場を立ち去ってしまい、その後の二人の距離は離れてしまします。その後、ソ連のアフガニスタン侵攻でアミールはアメリカに亡命しましたが、大人になってからアミールのもとにかかってきた電話で、再び二人の物語が動き出すというストーリーです。

まとめ

日本に住んでいると、あまりにイスラム文化圏の方と触れ合う機会がないと思います。

私が過去にアメリカで参加したプログラムでは、エジプト、トルコ、パレスチナ、UAE、などイスラム圏からの参加者も多数いました。

もちろんみんな、優秀で明るく気さくで、日常で関わっているうえでは宗教の違いは全く感じません。

しかし、当時の2014年はISが勢力を拡大しだしたり、イスラエルのガザ地区での紛争が活発になったりと、プログラム中はニュースが重なり、込み入った議論をすることが多くありました。

そうした中で、お互いへのリスペクトはありながらも、受けてきた教育や国としてのスタンスの違いで、熱くディベートする友人たちを目の当たりにし、中東の情勢の不安定さと複雑さを痛感しました。

日本人として今自分が当たり前と思っていることが、どれほど恵まれていることか、

カーレド・ホセイニの本はそういったことを再認識させてくれます。

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