海外の人と接したときの日本人の感想の圧倒的ナンバー1は
「私たちは日本人なのに、日本のことを知らなすぎる」です。
英語で楽しく会話していたのに、突然日本の文化、歴史、経済の事を聞かれて凍り付く経験をしたことがある人は少なくないはず。
この記事では、事前に日本人として海外の人と接する際に知っておくべき教養を学べる7冊の本をご紹介します。
小・中学校の頃、4年間アメリカのニューヨークで過ごしました。
社会人でも再びニューヨークにビジネス留学した経験から、海外で恥をかかないようにおすすめの本をご紹介します。
文化
海外から見た日本の文化はかなり異質に見えています。
特に日本人の宗教的感覚や性格は、なかなか理解されないので、みんな興味深々です。
そのため日本の文化についても多く質問を受けます
武士道 新渡戸 稲造
発刊:1899年
日本の武士道を欧米に紹介する目的でアメリカのフィラデルフィアで刊行され、世界に日本の精神を広めた作品です。
そのため、原文は英語で書かれています。
各国では宗教がそれぞれの人々の行動規範となっています。
しかし日本はどうでしょうか?
日本人の行動規範となっているのは神道?仏教?と考えたときにどちらもピンときません。
そんな時に、新渡戸稲造は日本には武士道(Bushido)があるとして西欧の哲学と対比しながら世界に日本の精神を紹介しました。
アメリカのルーズベルト大統領も、この「武士道」に感銘を受けたそうです。
禅と日本文化 鈴木 大拙
新渡戸稲造は「武士道」を世界に広め、鈴木大拙は「禅」を世界に広げました。
アメリカで禅は”Zen”として、”Meditation(瞑想)”などと同様、シリコンバレーや投資家などにも人気です。
特にスティーブ・ジョブスも傾倒していたことは有名です。
スティーブ・ジョブスの最も有名なスピーチについて、こちらの記事でご紹介していますので合わせてご覧ください。
スタンフォード大学卒業式でのスティーブ ジョブスの名スピーチ
禅や日本の伝統文化理解への絶好の案内書として読み続けられている古典的名著です。
ノルウェイの森 村上 春樹
発刊:1987年
日本に近代文学作品の中で、最も海外に知られているのは村上春樹といっても過言ではありません。
「ノルウェイの森」は、村上春樹の代表作として知名度が高く、現在では世界36か国語に翻訳され、上下巻合わせて1000万部を上回るベストセラーになっています。
海外ではフランツ・カフカ賞やエルサレム賞、アンデルセン文学賞など多くの賞を受賞しています。
日本人として、知らなくては少し恥ずかしい思いをするかもしれません。
歴史
日本の歴史と言えば、戦国時代や幕末が日本人に人気です。
しかし、海外では国の成り立ちや神話などを重点的に教育します。
また、日本にいるとあまり実感がわきませんが、世界は第二次世界大戦後の秩序の中で動いています。
古事記・日本書紀
そもそも日本はいつ誕生したのかという質問に答えられますでしょうか?
日本の建国記念日は2月11日ですが、これは何の日でしょうか?
日本は実際の建国日が明確でないため、古事記や日本書紀で初代天皇とされる神武天皇の即位日(紀元前660年1月1日 (旧暦))より、その即位月日を明治期に新暦で推定した2月11日を建国記念日にしています。
世界最古の国は諸説ありますが、日本という説も有力でギネスにも認定されています。
「古事記」・「日本書紀」について、内容の質問をされることはありませんでしたが、世界最古の国であるという誇りと、その根拠については知っておくべきです。
ちなみに海外では王政は割となじみがあるため、天皇についてはよく聞かれます。
留学中にクラスメイトのスペイン人に、天皇の名前を聞かれた際に答えられずに、
You don’t know your emperor'
s name?
自分の国の天皇の名前も知らないの?
と馬鹿にされました。
マンガ版でサッと知識を得るのもお勧めです。
ザ・レイプ・オブ・南京 アイリス・チャン
日本では特に近代の歴史を十分に教えていません。
日本は戦前と戦後でまるで国が変わったように語られますが、海外では第2次大戦の流れをそのまま受け継いでいます。
日本人は大戦中に大日本帝国としてアジアに侵略した歴史がありますので、この点は配慮が必要です。
「ザ・レイプ・オブ・南京」は中国系アメリカ人作家アイリス・チャンが1997年に発表した本で、「南京大虐殺」を初めて本格的に英語で書いた作品でした。
南京事件は日中戦争中の1937年の出来事ですので、アイリス・チャンは生存者からのインタビュー等を通じて執筆しています。
そのため、南京事件で実際に行われたこと、被害の規模には論争がありますので、日本人としては内容を知ったうえで、世界からの見られ方の一つとして認識しておく必要があります。
経済
日本の経済は低迷中という見方が、日本国内では一般的ですが、海外から見ればまだGDP3位の大国です。
そのため、思っている以上に日本の経済への関心は世界でも高いです。
実際に留学当時、アベノミクスの政策についてなど質問されました。
日本の論点 2022~23 大前研一
「現代世界の思想的リーダーとして、アメリカにはピーター・ドラッカーがいるし、アジアには大前研一がいるが、ヨーロッパにはいない」とまで言われた人物が大前研一です。
学歴
早稲田大学卒
東京工業大学 修士号
マサチューセッツ工科大学(MIT) 博士
経歴
日立製作所
マッキンゼー・アンド・カンパニー
ビジネス・ブレークスルー 代表取締役
「日本の論点」は文字通り、日本の論点について毎年発刊している書籍です。
世界の視点から、今年、日本人が考えておくべきことを知ることができるのでおすすめです。
MADE IN JAPAN わが体験的国際戦略 盛田 昭夫
海外で日本の家電製品と言えば、知名度が高いのはSONYです。
過去にwalkmanが世界に与えたインパクトは、現代のiPhone並みだったと思います。
SONYが世界にMade in Japan=高品質と印象付けた戦略が書かれた、日本人が知っておくべき名著です。
まとめ
海外の人にとって日本はミステリアスなため、たくさん質問をされます。
そんな時の回答で、日本人の印象は決まってしまいます。
海外に行った際に聞かれるテーマに基づいて、おすすめの本をご紹介させていただきましたので、「日本のことを知らなすぎる」とならないように、読んでおきましょう!
海外に行く前に見ておくべき映画についてはこちらの記事でご紹介していますので合わせてご覧ください。