【起業家の英語スピーチ】より多く人をより少ない車で運ぶためのUberの計画、トラビス・カラニック

ビジネススキル

新型コロナウイルスの影響で、Uber Eatsは日本でも普及しました。

しかし、Uberの配車サービスは規制により日本では普及していません。

日本は既得権益を守る文化が根付いているため、法整備含めて、便利なものがあってもなかなか普及しないことが多くあります。

トラビス・カラニックはUber元CEOで、TEDでUberが目指す未来について語っています。

この後、トラビスは社内の度重なるスキャンダルや、訴訟を受け辞任します。

そういったことを抜きにして、このトークを聞くことでUberの目指す社会やシェアリングエコノミーの可能性について実感できると思いますので、ご紹介したいと思います。

トラビス・カラニック

トラビスは1976年8月6日にカリフォルニア州ロサンゼルスで生まれました。UCLAに通い、コンピューターエンジニアリングとビジネス経済学を学びましたが、1998年に学校を辞めました。

大学を辞めたのは、クラスメートのマイケル・トッド(Michael Todd)氏とビンス・ブッサム(Vince Busam)氏と一緒に、仲間同士のネットワーク検索エンジン「Scour」を開発するためでした。

しかしScourは複数のエンタメ企業から訴えられ倒産しました。

その後立ち上げたネットワークソフトウエア開発企業Red Swooshも、問題をいくつか抱えていましたが、売却に成功し、トラビスは億万長者となりました。

その後、Uberを立ち上げ、爆発的に成長し、注目を集めましたが、社内のセクハラ問題や、トラビスの法律や規制を無視した経営は批判を浴び、2017年にCEOを辞任に追い込まれました。

このTEDは2016年でUberは絶好調でありながらも、セクハラ問題などが浮上している時期でした。

トラビスの人間性については、傲慢な態度が有名で、否定的な意見も多くあります。

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TED TALKの要約

自動運転ではなく、スマホを使って、より多くの人をより少ない車に乗せることで、環境汚染を抑制し、駐車場の数を減らすことが出来ます。

Uber's plan to get more people into fewer cars | Travis Kalanick

100年前にもUberのビジネスモデルはあった

100年前にはJitneyという乗り合いの車がありました。

Jitneyを始めたL.P.Draperはロサンゼルスの車の販売員でした。

彼は当時、路面電車に人が並ぶ様子を見て、自分の車に看板を貼り、人々の乗り合い輸送を始めました。

これが好評で瞬く間に全米に広がりました。

たった1年でシアトルで1日5万人、カンザスで4万5千人、ロサンゼルスで15万人が利用するサービスに成長しました。

現在のロサンゼルスでのUberの利用者が15万7千人なので、100年前のJitneyのすごさが分かります。

しかしその分、路面電車の乗客が減ってしまったため、路面電車の働きかけで、次々とアメリカ中にJitneyに対する規制が生まれます。

こうした規制により、Jitneyはあっという間になくなってしまいました。

車を所有するようになる

人々は自動車のシェアが出来なくなった代わりに、車を所有するようになりました。

こうして、アメリカではほとんどの人が車を持つようになりました。こうした動きは、世界中で広がり、2011年には中国での新車販売台数はアメリカを抜きました。

もちろん個人で車を所有することは、大きなコストも生みました。

アメリカでは毎年70億時間の無駄な時間を渋滞で過ごし、1兆6000億円分の生産性の低下と、CO2排出量の1/5を排出しています。

また、車は全体の96%もの時間は駐車されており、所有する土地の30%は鉄の塊を置いておくためのものになっています。

公共の交通機関が発達しているニューヨークのような密集した街中でも、一日250万台の自動車の往来があります。

これはなぜか?

これは、公共の交通機関がまだ、自分の家まで届けてくれるようになっていないからです。

Uberを立ち上げ気づいたこと

2010年にサンフランシスコでUberを立ち上げたときは、大きなビジョンを持っていたわけではなく、ただボタンを押して車を呼びたいだけでした。

しかし、実際にそういう需要が多かったことに気づいたと同時に、人々の目的地までの道のりが重複していることに気づきました。

同じぐらいのタイミングで、同じような道で、同じような場所を目指す人が多かったため、これを1台の車両でまとめて輸送すれば、費用は半額で、街中の車も半分になります。そして実際に成功しました。

そしてロサンゼルスでも展開すると、こちらでも成功しました。

市街地で機能するのはわかりましたが、住宅街ではどうでしょう?

住宅街でも毎朝一人が一台の車に乗って出かける姿をよく目にします。住宅街では、近所から同じ行先に行く人をマッチするサービスを展開しています。

規制

アメリカでは1マイル54セント以下で乗せることが出来ると、法律で定められています。

つまりUberのドライバーが1マイル60セント以上請求した途端、犯罪者になります。

60セントにすることで、もっと多くの人がUberドライバーになれたら?

それにより車が減って、駐車場があった場所に公園を作ることが出来たら?

もちろん自動運転の技術は待ち遠しいですが、本当に5年~10年も待たなくてはいけないでしょうか?

立った少しの規制の撤廃で、すべての車をカーシェアにできれば、今ある技術だけで失ったものを取り戻すことが出来ます。

まとめ

トラビス・カラニック は今となっては、人生の転落が目立つ存在になってしまっています。

しかし2016年に全面的にUberを日本でも取り入れていたら、街の姿は変わっていたかもしれません。

車をめぐっては高齢者の危険運転などの問題や、CO2の排出など様々な問題があり、しかも問題は年々大きくなっていきます。

こうした問題を解決することより、既得権益を守る日本の文化はいいところと悪いところの両面がありますが、しっかりと失っている機会についても理解する必要があると思います。

他にも知っておくべき起業家のスピーチをこちらの記事でご紹介していますので是非ご覧ください。

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