アメリカ独立宣言とは?どんな事が書いてある?

映画&文学

本日は7月4日はアメリカ独立記念日です。

アメリカ人にとって、1年で最も愛国心が湧き溢れる日です。

独立記念日はIndependence Dayと言われ、ウィル・スミスが宇宙からの侵略者と戦う、映画のタイトルにもなっています。

実際に毎年7月4日にはアメリカ各地で花火が打ちあがるなど、自由を勝ち取った日として盛り上がりを見せています。

では独立宣言には何かが書かれているのでしょうか?

独立宣言とは

アメリカで1776年の7月4日の大陸会議にて採択されました。

大陸会議は植民地への支配を強めるイギリスに対し、自治意識の高まりから13植民地の代表で結成されました。

当時イギリスの植民地であった、アメリカの13州の植民地に対して独立を宣言した文書となります。

内容はトマス・ジェファーソンが起草し、ベンジャミン・フランクリンとジョン・アダムズが修正しています。

当時の背景

独立宣言と聞くと、アメリカの独立が認められた日のように聞こえますが、実際にはこの宣言後もアメリカの独立戦争は続き、国際的に独立が認められたのは1783年のパリ条約です。

独立戦争の背景にはイギリスが次々と重税を課したことや、これらを決定する本国の議会に植民地から議員を派遣することが出来ないなどの不公平は植民地支配がありました。

“No taxation without representation”(代表なくして課税なし)といった運動や”Boston Tea Party”「ボストン茶会事件」に発展し、独立戦争が起こりました。

  • 1764年 砂糖法
  • 1765年 印紙税
  • 1773年 茶法 これを受け、ボストン茶会事件に
  • 1775年 レキシントン・コンコードの戦い(独立戦争の初戦)
  • 1776年 独立宣言
  • 1777年 サラトガの戦い(フランスのラ・ファイエットの援助により植民地軍がイギリスに大勝、この後スペイン、オランダ、ロシアなどのヨーロッパ諸国の援助もあり、イギリスは孤立)
  • 1781年 ヨークタウンの戦い(イギリスが降伏)
  • 1783年 パリ条約(国際的に独立が認められる。)

なんと書いてある?

以下が最も有名な主要文です。

We hold these truths to be self-evident, that all men are created equal, that they are endowed by their Creator with certain unalienable Rights, that among these are Life, Liberty and the pursuit of Happiness.–That to secure these rights, Governments are instituted among Men, deriving their just powers from the consent of the governed, –That whenever any Form of Government becomes destructive of these ends, it is the Right of the People to alter or to abolish it, and to institute new Government, laying its foundation on such principles and organizing its powers in such form, as to them shall seem most likely to effect their Safety and Happiness. Prudence, indeed, will dictate that Governments long established should not be changed for light and transient causes; and accordingly all experience hath shewn, that mankind are more disposed to suffer, while evils are sufferable, than to right themselves by abolishing the forms to which they are accustomed. But when a long train of abuses and usurpations, pursuing invariably the same Object evinces a design to reduce them under absolute Despotism, it is their right, it is their duty, to throw off such Government, and to provide new Guards for their future security.–Such has been the patient sufferance of these Colonies; and such is now the necessity which constrains them to alter their former Systems of Government. The history of the present King of Great Britain is a history of repeated injuries and usurpations, all having in direct object the establishment of an absolute Tyranny over these States.

(引用)われわれは、次のような真理をごく当たり前のことだと考えている。つまり、すべての人間は神によって平等に造られ、一定の譲り渡すことのできない権利をあたえられており、その権利のなかには生命、自由、幸福の追求が含まれている。 またこれらの権利を確保するために、人びとの間に政府を作り、その政府には被治者の合意の下で正当な権力が授けられる。そして、いかなる政府といえどもその目的を踏みにじるときには、政府を改廃して新たな政府を設立し、人民の安全と幸福を実現するのにもっともふさわしい原理にもとづいて政府の依って立つ基盤を作り直し、またもっともふさわしい形に権力のありかを作り変えるのは、人民の権利である。
もっとも、じっさいには、分別を働かしさえすれば、長年続いてきた政府をたいした理由でもなかったり、あるいは一時的な理由から改廃すべきでないというのは、容易にわかることである。したがって、これまでの歴史は、人類には慣れ親しんできた政府を廃止して政府自体を作り直すことよりも、その弊害が耐えられるのであればそれを苦しんでも耐える傾向にあったことを示している。
しかしながち、権力の乱用や略奪が長く続き、人民を絶対的な専制の下に落としめようとする企てが絶えまなくみられる場合には、人民は権利ばかりでなく義務としても、そのような政府を転覆し将来の安全を確保するために新しい警護者を見つけなければならない。アメリカの植民地は、まさにそうした事態を耐え忍んできたのであり、いまや植民地が従来の政府機構を改変しなければならなくなっているのも、以上述べてきた理由によるものである。下略

すべての人間は平等に作られ?

宣言内にall men are created equal(すべての人は平等に作られ)とあります。

しかし当時の感覚としては、これは白人に限定される解釈であり、当時奴隷として働かされていた黒人には、この解釈が適用されませんでした。

後にリンカーンの奴隷解放宣言やマーティン・ルーサー・キング・ジュニア牧師の活動によって、時間をかけてアメリカは今の形になっていきました。

まとめ

独立宣言後、フランス革命もこれに影響を受けるなど、世界の人権に対する考え方は変わりました。

そして、現代もこの価値観は受け継がれています。

そういう意味でも、アメリカがいかにこの日を大切にしているかが分かると思います。

毎年7月4日は、すこしこんなことも思い出しながら、人権について考えてみるのもいいのではないでしょうか?

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