【Bullshit Jobs(ブルシット・ジョブズ)】 くそどうでもいい仕事に悩む人が読むべき一冊

ビジネススキル

自分の仕事は社会の役に立っているとは思えない。

こう感じる方は多いのではないでしょうか?

実はこのような仕事を表す流行りの言葉があります。

それがBullshit Jobs(ブルシットジョブズ)「くそどうでもいい仕事」です。

ブルシット・ジョブズが蔓延するには理由があり、これは研究されています。

この記事ではブルシット・ジョブズの概念を世の中に広めたデヴィッド・グレーバー(David Graeber)の本をご紹介します。

デヴィッド・グレーバー(David Graeber)はどんな人?

デヴィッド・グレーバー(David Graeber)はアメリカの人類学者です。

1961年にニューヨークで生まれ、2020年に59歳の若さで亡くなっています。

1998年から2007年までイェール大学で人類学の准教授として活躍しました。

現代の資本主義に対して異論を唱え2011年の「We are 99%」をスローガンとしたウォール街占拠運動にも主導的な役割で参加していました。

ブルシットってどういう意味?

Bullshit(ブルシット)はスラングです。

一般的(感情的になった時)によく使われます。

直訳するとBull(牛)とシット(クソ)で牛のクソですが

でたらめ、ウソ、くだらないこと

と訳されます。

使用例「良かれと思ってやった事が裏目に出てしまった時」

Why did you do this to me?( 何で俺にこんなことしたんだ!)

Wait, I was just trying to help.(待て、ただ手伝いたかっただけなんだ。)

Bullshit!! You were just trying to screw me up!(嘘だ!俺を落とし入れようとしてただけだろ!)

みたいな使い方が多いですね。

とにかく日常会話のみならず映画、ドラマでもよく聞きますので意識して聞いてみてください。

ごちゃごちゃ言い訳してる相手に対して

“Bullshit!!”

と主人公が一蹴するシーンは爽快です笑

この本ではBullshit(ブルシット)を「クソどうでもいい」と訳しています。

Bullshit Jobsとは

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Bullshit Jobsとは2018年に書かれた本です。

邦題のサブタイトルには「クソどうでもいい仕事の理論」となっています。

この本では、実際にその仕事に従事している人ですら、自分の仕事が無意味だと感じている仕事が世の中に無数に存在する事実について考察しています。

著者はいろいろな人と出会う中で、相手に仕事の内容を聞くと、「僕は大した仕事はしてない」とか「本当に無意味な仕事をしてる」などと答える人が多い事に気付き、こんな状況になっている理由の原因がBullshit Jobsの蔓延としています。

ブルシット・ジョブズの定義

働いている本人でさえ、その存在を正当化できないほど、無意味で、不必要で、有害でもある有償の雇用形態

それではどんな仕事がBullshitなのでしょうか?

Bullshit Jobs の例

私たちは機械化や自動化でより生産性が向上し、将来は働く時間が短くなると信じています。

機械に仕事を奪われるのではないかと恐怖に感じる人もいます。

本当にそうでしょうか?

例えば100年前の人々の仕事は自動化などで効率化され、現在は従事する人が劇的に減っています。

もし現在の仕事が当時のままなら、現代のわれわれは週3日、一日3時間働く程度でいいはずです。

しかし実際はどうでしょう?週5の8時間勤務で残業もして、土日も仕事に追われる生活を送っていませんか?

この間に急激に成長した業界が金融であったり、法務や人事・労務といった間接部門の仕事です。マーケティング、コンサルティングなどもそうです。

こうした仕事がいわば、本質的には必要のない、人の手によって生み出されたBullshit Jobsというわけです。

身の回りのブルシットジョブ

無駄な仕事を生み出すわかりやすい例に事務所内での引っ越しがあります。

①無駄に隣の部署に人事異動がある

②無駄に座席が変わる。

③座席を変えるために企業内の電話やPCの担当に連絡する。

④電話やPCの担当がそれぞれの外部の業者に配線の変更の発注をする。

⑤外部業者も下請けの業者に発注する。

⑥発注業者、外部業者と下請け業者が工事をする日程を調整する。

⑦下請け業者が数時間の移動と労力をかけて、3m座席を移動する工事をする。

こんなことが本当に起きているのです。

Bullshit Jobsの種類

Flunkies(取り巻き)

誰かを偉そうにみせたり、偉そうな気分を味わわせたりするためだけに存在している仕事。

例:受付係、管理アシスタント、ドアアテンダント

Goons(脅し屋)

雇用主のために他人を脅したり欺いたりする仕事

例:ロビイスト、顧問弁護士、テレマーケティング業者、広報スペシャリスト

Duct Tapers(補修係)

組織の欠陥を穴埋めするためだけに存在している仕事。

例:クレーム処理係。

Box Tickers(穴埋め係)

組織が実際にはやっていないことを、やってるように見せかける仕事

例:社内の雑誌ジャーナリスト、企業コンプライアンス担当者

Taskmasters(仕事振り分け)

他人に仕事を割り当てるための仕事、ブルシット・ジョブを作り出す仕事。

例:中間管理職

日本のBullshit Jobs

日本は特にBullshit Jobs が生まれやすい環境です。

それは会社が従業員を簡単に解雇することが出来ないため、会社にとって本質的に必要な仕事でなくても何かしらの仕事を作らなくてはいけません。

また、年功序列で責任者のポストを用意するため、そうした不必要な仕事を監督する不必要な責任者も増殖します。

極めつけは、上席者に対する忖度や根まわしなど、仕事のほとんどが会社が利益を上げるために直接必要ないものです。

Bullshit Jobsは日本の企業文化と大変相性がいいと思います。

生産性が低いと言われるのも無理はありません。

まとめ

しかし、転職市場が発達しており、人材の流動性が高いアメリカで本書が出版された点も興味深く日本だけの問題ではないようです。

この本から学ぶべき教訓ですが、私はBullshit Jobsは存在すると認めることだと思います。

「頑張っていれば報われる。」

「お天道様は必ず見ている。」

いずれも幼いころから言われている耳障りのいい言葉ですが、無駄な努力もあり、誰の役にも立っていない仕事も存在するのです。

必要のない仕事はどれだけ正当化しても必要ないのです。

くそはくそなのです。

この感覚を持っておくことはとても大事です。

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